樋口整形外科人工関節クリニックの変形性股関節症ページ|名古屋市守山区の整形外科

変形性股関節症 HIP-OSTEOARTHRITIS

変形性股関節症とは?

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ることで、関節に炎症や変形が生じる疾患です。

股関節は、骨盤側のくぼみである「寛骨臼(かんこつきゅう)」に、大腿骨の先端にある球状の「大腿骨頭」がはまり込む構造をしています。それぞれの骨の表面は関節軟骨で覆われており、歩いたり脚を動かしたりするときの衝撃を吸収し、関節を滑らかに動かす役割を果たしています。

軟骨が少しずつすり減ると、骨同士にかかる負担が大きくなり、関節に炎症が起こったり変形が進んだりします。その結果、脚の付け根の痛みや股関節の動かしにくさなどが現れるようになります。

日本では、もともと股関節の受け皿が浅い「寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)」などを背景として発症する場合が多いほか、加齢や体重増加なども進行に関係することがあります。

こんな場合はご相談ください

  • 立ち上がるときに脚の付け根が痛む
  • 歩き始めに股関節が痛む・こわばる
  • 長時間歩くと股関節が痛くなる
  • 階段の上り下りがつらい
  • 靴下を履く動作がしにくい
  • 足の爪を切りにくくなった
  • 股関節を曲げたり開いたりしにくい
  • 車の乗り降りがしにくい
  • 歩くときに身体が左右に揺れる
  • 夜間や安静時にも股関節が痛む

変形性股関節症は、初期には立ち上がりや歩き始めなどに痛みを感じる程度でも、進行すると日常生活のさまざまな動作に影響を及ぼすことがあります。気になる症状がある場合は、早めに股関節の状態を確認することが大切です。

変形性股関節症の予防

変形性股関節症を完全に防ぐことは難しい場合もありますが、股関節への負担を減らし、股関節を支える筋力や身体機能を維持することは、症状の悪化や進行を抑えるために大切です。

特に重要なのが、適度な運動と体重管理です。痛みがあるからといって身体を動かさなくなると、股関節周囲の筋力が低下し、関節への負担が大きくなる場合があります。

痛みを我慢して無理に運動するのではなく、股関節の状態に合わせて身体を動かすことを心掛けましょう。

日常生活で意識したいこと

適正体重を維持する

股関節は立ったり歩いたりするときに身体を支える重要な関節です。体重が増えると股関節への負担も大きくなるため、食生活を整えながら適正体重を維持することが負担の軽減につながります。

股関節を支える筋肉を鍛える

お尻や太ももなど股関節周囲の筋肉は、歩行時に身体を支え、股関節を安定させる役割があります。無理のない範囲で筋力を維持することで、股関節にかかる負担を軽減します。

適度に身体を動かす

ウォーキングや水中運動など、股関節への負担を考慮した運動を継続することも大切です。ただし、痛みが強い状態で無理に運動すると症状が悪化する場合がありますので、状態に応じて運動内容を調整します。

股関節に過度な負担をかけない

重い物を持った状態での移動や、股関節に大きな負担がかかる動作を繰り返すことで、痛みが強くなる場合があります。日常生活の中でも無理な動作を避け、必要に応じて杖などを活用して股関節への負担を減らしましょう。

変形性股関節症の進行

変形性股関節症は、軟骨のすり減りや関節の変形が徐々に進行する疾患です。

症状の現れ方や進行の速さには個人差がありますが、症状の程度から大きく「初期」「進行期」「末期」に分けて考えることができます。

初期

動き始めに痛みや違和感を感じる

初期では、立ち上がるときや歩き始めなど、身体を動かし始めた際に脚の付け根に痛みや違和感を感じることがあります。

しばらく休むと症状が軽くなる場合もあり、「少し疲れているだけ」「年齢のせいだろう」とそのままにしてしまうケースもあります。

  • 立ち上がる瞬間に脚の付け根が痛む
  • 歩き始めに股関節の違和感がある
  • 長く歩くと痛みを感じる
  • 股関節にこわばりを感じる
  • 階段の上り下りで違和感がある

進行期

痛みや動かしにくさが増え、日常生活に影響が出始める

症状が進むと、歩行時の痛みが続くようになり、股関節を動かせる範囲も徐々に狭くなっていきます。

脚を大きく曲げたり開いたりする動作が難しくなり、靴下を履く、足の爪を切る、車に乗り降りするといった日常動作にも支障が出始めます。

  • 歩いていると股関節の痛みが続く
  • 階段の上り下りがつらい
  • 靴下を履きにくい
  • 足の爪を切りにくい
  • 股関節を曲げたり開いたりしにくい
  • 長時間立っていることがつらい

末期

強い痛みや可動域の制限によって歩行が難しくなる

さらに軟骨のすり減りや関節の変形が進むと、痛みが強くなり、安静時や夜間にも痛みを感じることがあります。

股関節の動きが大きく制限され、長い距離を歩くことが難しくなったり、杖などの補助が必要になったりするなど、日常生活への影響も大きくなります。

  • 安静にしていても股関節が痛む
  • 夜間に痛みで目が覚める
  • 股関節を十分に曲げられない
  • 長時間立っていることが難しい
  • 長い距離を歩けない
  • 歩き方が不安定になってきた
  • 杖などの補助が必要になる
  • 痛みのため外出する機会が減ってきた

進行した場合でも治療方法がなくなるわけではありません。保存療法で十分な改善が得られない場合には、人工股関節置換術によって痛みの軽減や歩行機能の改善を目指すことができます。

当院で行う変形性股関節症の治療

変形性股関節症の治療方法は一つではありません。

当院では、股関節の痛みの程度や関節の変形、年齢、活動量、生活状況などを踏まえながら治療方法を検討します。

初期から進行期では、できるだけ現在の股関節の機能を維持するための保存療法や理学療法などを行います。関節の変形が進み、痛みによって歩行や日常生活に大きな支障が生じている場合には、人工股関節置換術を検討します。

人工関節手術

進行した変形性股関節症に対する治療

保存療法を続けても十分に痛みが改善せず、関節の変形によって歩行や日常生活に大きな支障が生じている場合には、人工股関節置換術を検討します。

人工股関節置換術は、傷んだ大腿骨頭や骨盤側の関節面を取り除き、金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工関節に置き換えることで、痛みの軽減や股関節機能の改善を目指す治療です。

当院では人工股関節置換術を専門的に行っており、一人ひとりの股関節の状態に応じた治療をご提案しています。

保存療法

初期〜進行期の変形性股関節症に

症状が比較的軽い段階では、手術を行わない「保存療法」を基本として治療を進めます。

股関節の状態に応じて、消炎鎮痛薬や外用薬などによる薬物療法、運動療法などを組み合わせ、痛みの軽減と股関節機能の維持を目指します。

また、股関節への負担を減らすため、体重管理や日常生活での動作、運動方法についても必要に応じてアドバイスを行います。

理学療法・装具療法

股関節を支える筋力と動きを整える治療

股関節周囲の筋力が低下すると、歩行時に関節へかかる負担が大きくなり、痛みや動きにくさにつながる場合があります。

当院では、股関節の状態を確認しながら、筋力の維持・向上や関節可動域の維持・改善、歩行機能の向上を目的としたリハビリテーションを行います。

また、必要に応じて杖などの補助具や装具を活用し、歩行時に股関節へかかる負担の軽減を図ります。痛みを我慢して無理に運動するのではなく、一人ひとりの状態に合わせて継続できる方法を考えていきます。